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2018年4月24日(火)
ビジネスウォッチ

【経済やわらかゼミ】違反相次ぐクロマグロ漁

2017/03/13

法規制で資源管理徹底 来年導入、罰則も


 おすしのマグロが大好きな中学生の沙耶さん。マグロ漁の違反が相次いでいるとの話を聞き、大学の水産学部に通う姉の璃子さんに尋ねた。

(イラスト 清水紗羅巳)

沙耶 どんな違反なのかしら。

璃子 水産庁の調査で、長崎や三重、岩手、宮城、新潟、千葉、静岡、和歌山、鹿児島の9県で水揚げ量の未報告などが判明したの。承認を受けずに漁をしたり、県からの操業自粛要請を無視して漁獲したりする漁業者もいたのよ。

沙耶 マグロを取る量に問題があるみたいね。

璃子 一口にマグロと言ってもいろいろあって、日本人に人気があるのがクロマグロという種類なの。ホンマグロとも呼ばれて、体重が300キロを超えるものもいるのよ。太平洋を回遊し、主な産卵場は日本海南西部や南西諸島付近とされている。日本の消費量が最も多いんだけど、以前と比べて数が減っているの。乱獲が影響しているみたいよ。

沙耶 だから漁獲量を制限して取りすぎないようにということね。

璃子 卵を産めるようになった太平洋に生息するクロマグロの親魚の量は2014年が約1万7千トンとピーク時の約10分の1に激減している。回復に向けて日本や米国などが国際合意し、15年から、30キロ未満の小型の漁獲量を02~04年平均の半分に減らすなどの規制を実施しているわ。日本の漁獲枠は4007トンで、漁法や地域ごとに割り当てているの。

沙耶 でも違反が続いているわけね。

璃子 漁獲量のルールは漁業者の協力を得た自主規制にすぎず、水揚げ量の未報告や割り当て上限を超えそうな場合に出す操業自粛要請に従わなくても罰則がないわ。

沙耶 今後の対策は。

璃子 管理を強化するため水産庁は法規制を導入する考えなの。海洋生物資源保存管理法に基づく漁獲可能量(TAC)制度をクロマグロにも適用する。国が年間の漁獲枠を決め、都道府県などに配分して管理する仕組みよ。今度は違反すると罰則もあるわ。

沙耶 罰則の内容は。

璃子 操業停止命令に従わない場合は3年以下の懲役または200万円以下の罰金、水揚げ量を報告しないと30万円以下の罰金になるの。

沙耶 いつから法規制が適用されるの。

璃子 水産庁は、沖合で操業する巻き網漁業などは18年1月、沿岸漁業には18年7月をめどに適用する準備を進めているわ。日本は太平洋クロマグロを最も多く漁獲しているので資源管理を徹底しないといけないわね。

沙耶 おいしいトロの握りがいつでも食べられるようにね。

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