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2019年8月26日(月)
ビジネスウォッチ

【暮らしナビ】クラウドファンディング ネットで資金集め、夢実現

2016/08/22
学生や大企業も活用

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 インターネットで不特定多数の人から資金を調達する「クラウドファンディング」の活用が進んでいる。起業を目指す若者が経営感覚を磨いたり、大企業が新製品を発売する前に消費者の反応を探ったり。今後も拡大が見込まれるが、集めた資金でプロジェクトがきちんと遂行されるかどうか信頼性の確保が課題だ。

▽起業 

 今年3月、化粧の仕方を指南するアプリを手掛ける会社「FirstMake(ファーストメーク)」が設立された。社長は発案者の内山恵梨香さん(18)。当時は高校生だった内山さんが、初めてのお化粧で戸惑った自身の経験から、アイラインの引き方やチークの塗り方を動画で紹介するアプリをつくることを思い付いた。
内山さんたちは、アプリ制作費の元手として20万円かかると試算。資金集めのために、筑波大出身の経営者らが、2014年に設立したクラウドファンディング仲介の一般社団法人「筑波フューチャーファンディング」(東京)を利用した。

「写真を多用し、プロジェクトの中身が見る人に分かりやすいように工夫した」と内山さん。目標額以上を集め、夏ごろにアプリを公開する予定で、夢が実現する。

 佐々木敦也代表理事(55)は「どうやったら人の心に訴え、プロジェクトを遂行できるのか、教科書や研究室では分からない実践的な勉強ができる」と意義を語る。

▽市場調査
ソニーの「FES Watch」
 クラウドファンディングは11年の東日本大震災以降、活発化。当初は無償で資金を提供する「寄付型」が目立ったが、資金提供者が何らかの財やサービスを受ける「購入型」も増加し、収益の配当を受ける「投資型」などもある。

 矢野経済研究所(東京)によると、15年度の国内クラウドファンディングの市場規模は前年度比43・9%増の283億7300万円の見込みで、今後も拡大すると予測している。

 ソニーは一昨年、ブランドに頼らずに市場を調査しようと、社名を明かさずに、文字盤とベルトが1枚の電子ペーパーでできていて柄が変わる「FES Watch(フェスウオッチ)」の開発資金を募集。3週間で約300万円が集まり、その後、量産することを決めた。

 さらにソニーはクラウドファンディングサイト「ファースト・フライト」を開設。若手社員が新製品開発に挑戦できる場になっている。

▽信頼性が鍵
 クラウドファンディング仲介サイト「Makuake(マクアケ)」の運営会社の中山亮太郎社長(34)は「挑戦できる機会が増えれば、日本からもiPhone(アイフォーン)のような奇抜で売れる製品が生まれる土壌になるのではないか」と期待する。

 課題は、資金を募る人やプロジェクトの信頼性をどうやって確認するかだ。マクアケでは、きちんと遂行できるかどうか面接したり書類を取り寄せたりして、見極めている。プロジェクトの進捗状況もチェックする。
詐欺につながる恐れもあるとの指摘もあるが、日本クラウドファンディング協会理事を務める弁護士は「発案者はインターネットで顔を出し、素性も明かしているので、詐欺の温床にはなりにくいのではないか」と話している。 

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