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資産運用に必要な考え方 二宮清子さん(ファイナンシャルプランナー)

2016/09/23
ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん「地震保険の役割」

投資にも「三方よし」の理念を

にのみや・きよこ 宮崎市出身。日本大学短期大学部卒。ファイナンシャルプランナーで、合同会社リーフ代表。住宅ローンアドバイザーなどの資格も持つ。

にのみや・きよこ 宮崎市出身。日本大学短期大学部卒。ファイナンシャルプランナーで、合同会社リーフ代表。住宅ローンアドバイザーなどの資格も持つ。

 景気の先行きに不透明感が増すと、将来への不安感はいや応なしに増す。そんな消費者心理を映してか、県内でも資産運用に関するセミナー開催が増えている。私が講師を務めた金融機関主催のセミナーにも多くの参加があり、資産運用に対する関心の高まりを肌で感じた。参加者の傾向として顕著なのが、女性が非常に多いこと。家庭のある方は「家計を守るため」、独身の方は「老後を安心して迎えるため」-など目的はそれぞれだろうが、意識を高く持つ人が増えることは歓迎したい。

 ただ、資産運用を「楽して儲(もう)けたい」という理由だけで始めても、長続きしない。いまは、日銀のマイナス金利導入の影響で預金金利が下がったり、一部保険商品が休止になったりと、大きな経済の動きが一般消費者の生活にもマイナス影響を及ぼすような時代。資産運用の役割はギャンブル的なものではなく、「安定した生活」のために果たされるべきだと考える。ひたすら節約をするだけでは資産は生かされない。積み上げるような資産の運用が望ましい。

 預貯金、その上に、保険での積み立て、投信の積み立て、確定拠出年金という風に積み上げるような資産形成をお薦めする。少しでも資産を増やすためには、知識を得てそれを生かすための努力が必要となるが、リスクを分散し、長期間の人生設計を描くことができる。株を安く買って高く売るという資産運用もあるが、決して安定しないことは、ごまんといるトレーダーをみれば分かる。こういった投資のやり方は「家計を守る」という観点からも遠くかけ離れている。

 資産運用を呼び掛ける商品には、悲しいことに詐欺も紛れ込んでいる。「楽して儲けたい」という気持ちにつけ込むやり口。フェイスブックなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及で、ランダムにそういう情報が入ってくるようにもなった。玉石混交の情報から悪意のあるものを見抜くことは難しい。投資の世界は「楽して儲けられるような甘い世界ではない」という認識は常に持っておかなければならない。

 お金に関して私が思うのは、お金とは人の役に立って、はじめて自分のところに入ってくるものということだ。株で得る利益もそう。株を買うことは、その会社の一部を保有すること。自分の投資したお金が企業の役に立ち、業績向上につながり、配当を受ける。そういった流れが増えれば、社会全体への景気浮揚などの好影響が期待できる。

 商売の基本として、近江商人の心得「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の「三方よし」が有名だ。この理念は投資の世界にも通用するもので、企業、投資家(消費者)、社会が「三方よし」の関係を築くことができれば、きっと経済に好循環が生まれる。投資家が「自分だけ利益が出ればいい」という考え方をしていては到底無理な話だ。

 資産運用を始めようするきっかけは「欲」でもいい。しかし、欲だけだと、それが満たされれば終わってしまう。「欲」に「公(のために)」という思いをプラスし、欲を「志」に昇華することができれば、資産運用も無理なく、長く続けることができるはず。社会のため、企業のため、そして自分や家族のため。お金の“生きた使い方”を通して、一人でも多くの方の人生が幸せになりますように-。

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