みやビズ

2019年10月17日(木)
アナライズ

熊本地震の影響と今後 高橋洋さん(ソラシドエア社長)

2016/06/10
髙橋洋さん(ソラシドエア社長)「熊本地震の影響と今後」

今こそ横の連携で九州の底力を


たかはし・ひろし 東京大法学部卒。1977年日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。プロジェクトファイナンス部長、人事部長、取締役常務執行役員を経て2011年から現職。岐阜県出身

たかはし・ひろし 東京大法学部卒。1977年日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。プロジェクトファイナンス部長、人事部長、取締役常務執行役員を経て2011年から現職。岐阜県出身

 熊本地震は住宅や建物、インフラに未曽有の被害をもたらした。市民生活や生産活動だけでなく、観光や農業などの2次的被害も長期化する可能性は大きい。海外からの観光客にも影響があり、どの段階で昨年並みに観光客数が戻るか不安が大きい。

 阪神大震災、東日本大震災と2度の震災の教訓もあり、政府や自治体、経済団体などの対応は迅速だった。ただし、行政、企業、地域住民が一体となり復興へ取り組まなければ、九州がグローバルな競争で取り残されるリスクは高い。被災地とはいえ、競争の世界で「ちょっと待って」は通用しない。

 特に観光復興策では、最大の消費地である首都圏や関西圏などへ正確に情報伝達しなければならない。東京、大阪、海外では宮崎、熊本、大分の区別なく、ひとくくりで被災地と捉えている人もいる。

 被災情報も遠く離れると不正確になる部分もあり、「当分九州に行くのは見合わせよう」「九州観光は自粛してほかに行こう」という人も多いのではないか。

 こんな状況だからこそ首都圏に直接足を運び、正確な情報を伝えなければいけない。例えば、宿泊施設のキャンセルが多いため宿泊費が割安となることや、高千穂峡など普段は混雑する観光スポットが今なら余裕を持って楽しめることなど、観光客にとってお得な情報をもっと発信するべきだ。

 そして今こそオール九州の「横」連携を充実させるべきだ。ソラシドエアは就航地の5県と連携し「がんばろう!九州号」を5月28日に就航させた。機内販売や機内誌、首都圏テレビCM、ホームページを総動員して「九州は頑張っている。みんなで九州に行こう」というメッセージを送り続けるつもりだ。

 ソラシドエアでは1人でも多くの方に九州を知ってもらい、九州へ訪れていただけるよう総力を挙げて取り組む姿勢で、同じ志の皆さまと連携を図っていく。

 九州の魅力は周遊性。熊本、大分経由で宮崎入りする観光客は非常に多い。行政、企業、地域住民が一体となった魅力のPRを進めるなければならない。本県は高千穂への観光客を確保しなければいけない。「熊本、阿蘇ルート」が被災したため、高千穂の観光客はしばらく激減するだろう。だからこそこのタイミングに宮崎から西都、都農、日向などを経て高千穂に入る「宮崎ルート」や「大分ルート」を開拓し、定着させなければいけない。高千穂の観光客数は年間150万人だが、新ルート開拓に成功すれば復興後は年間200万人となる可能性もある。

 熊本地震を九州の新しい魅力や価値の創造にチャレンジする大きなチャンスと捉えなければならない。魅力的な新しい商品を創造する心持ちが大事だろう。

アクセスランキング

ピックアップ