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フードビジネスの可能性(2)元気なフロントランナーたち 岡村巖さん(県産業振興機構理事長)

2016/04/15
県産業振興機構理事長 岡村巖さん「元気なフロントランナーたち」

裾野広がり、国内外からも高評価


おかむら・いわお 1953(昭和28)年、延岡市生まれ。九州大経済学部卒。75(同50)年、県庁入庁。東京事務所長、農政水産部長などを歴任。2013年から現職。中小企業診断士

おかむら・いわお 1953(昭和28)年、延岡市生まれ。九州大経済学部卒。75(同50)年、県庁入庁。東京事務所長、農政水産部長などを歴任。2013年から現職。中小企業診断士

 県のフードビジネス振興構想が始まって3年。2013年度から20年度までの推進期間の3分の1が過ぎ、その成果が気になるところだが、おおむね順調な滑り出しと言える。

 この3年、いわば第1ステップの主眼は、強力な支援体制でフードビジネスへの機運を盛り上げ、積極的な取り組みを促すことにあった。狙い通り、その裾野は着実に広がっており、国内外で高い評価を得る企業が多く育ってきている。

 元気な事例をいくつか紹介したい。まずは海外展開だが、本県ブランドの代表格である県産牛肉の輸出量は12年の54トンから14年には148トンに急増。日本から米国への輸出総量の4割を占めるまでになっている。

 また、地ビールメーカーの宮崎ひでじビール(延岡市)は国際的な賞も受け、アジアのみならずドイツや米国にも販路を広げている。さらに農業分野でも、くしまアオイファーム(串間市)が直販中心の経営で大きく成長し、シンガポール、香港、台湾に年間300トンのサツマイモを輸出している。

 国内で高い評価を得ている事例としては、まずはデイリーマーム(宮崎市)。全日本空輸の機内販売にも採用されたゴボウチップス「ゴボチ」が、優良ふるさと食品中央コンクールで最高位の農林水産大臣賞を獲得した。ほかにも、15年度に始まった介護食品コンクールで大手メーカーを抑え、総合2位の食料産業局長賞に輝いた観音池ポーク(都城市高城町)などがある。

 6次産業化でも国内外から注目される事例が出てきている。伝統野菜の復活をテーマに加工・直販にも取り組む農業生産法人の百姓隊(宮崎市)は、日本を代表する事例として台湾の農業者大会に招かれた。また、農事組合法人はなどう(高原町)は、集落で新商品開発から直売、レストラン運営まで手掛ける成功事例であり、国内外から年間21万人ほどが訪れている。

 このようなフロントランナーたちが育ってきた背景には、全県的なフードビジネスの盛り上がりと支援体制の充実がある。当機構が運営する「みやざきフードビジネス相談ステーション」には商品開発や販路などの相談が毎月100件以上寄せられており、開設した13年11月からの累計は2600件を超えた。また、6次産業化をサポートする県農業振興公社でも年間400件程度の相談に対応しており、国の6次産業化認定件数は83件と九州で1位、全国では4位とトップクラスである。

 食品産業全体にも成果は表れてきており、県食料品製造出荷額は12年の2861億円から14年には3170億円と初めて3000億円を超えた。また、国が中小企業の設備投資を支援する「ものづくり等補助金」では本県採択件数371件のうちフードビジネス関連が3割を占めるなど投資意欲は高く、今後の生産などの伸びが期待される。

 16年度からの第2ステップでは、これまでの流れの面的な拡大と、宮崎ならではのフードビジネスの確立などがテーマになると考えている。次回は、その課題や展望について検討する。

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