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「ひむかジュニア運動」のすすめ  水永正憲さん(日向市キャリア教育支援センター長)

2016/03/25
日向市キャリア教育支援センター長 水永正憲さん「ひむかジュニア運動」のすすめ

学校を核とした地域づくり


みずなが・まさのり 1949(昭和24)年2月、都農町生まれ。高鍋高から九州大卒。元旭化成延岡支社長で、現在は日向市キャリア教育支援センター長。

みずなが・まさのり 1949(昭和24)年2月、都農町生まれ。高鍋高から九州大卒。元旭化成延岡支社長で、現在は日向市キャリア教育支援センター長。

 104歳の現役医師で聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏は、シニア世代が社会のためにできる使命を果たし、そうすることで生きがいを感じられる生き方をしてもらおうと「新老人運動」を展開している。運動の賛同者でつくる「新老人の会」では、シニア会員になれるのは75歳以上。60〜74歳はまだジュニア会員だ。ジュニアと位置付けられることで人の心持ちは「まだまだ頑張ろう」と前向きになる。老人はリタイアすればいいという考え方では日本は行き詰まってしまう。ジュニアたちが自ら行動し、社会もその交わりの中に迎え入れることで、社会はきっと良い方向へ向いていくはずだ、と説いておられる。

 団塊の世代が70歳に差しかかろうとしている。趣味や自分の好きなことを楽しむ個人の時間を持つことはもちろん大切だが、もっと積極的に社会と関わっていくことが必要なのではないか、と私は常々考えていた。これは、新老人運動の趣旨とも重なる。そこで、本県ならではの独自の取り組みとして「ひむかジュニア運動」を提唱したい。

 「ひむかジュニア運動」では、74歳以下を「ジュニア」と呼ぶことにしたい。
運動の拠点は学校である。地域の大人が学校に出向いて、子供たちにこれまでの経験を語る。何も難しい話をする必要はない。社会で働いてきた「喜び」と「苦労」をそのままに語っていただければいい。そして、ここでは老いも若きも、男も女も、地域のすべての人々が、学校に気軽に集い合い、子供たちと関わったり、先生方と触れ合ったり、地域の大人同士で語り合ったりできる社会を目指したい。その中で「ジュニア」の果たす役割は大きい。

 親と先生以外の大人が、本気で語る物語を聞いて、子供たちはきっと自分の将来の姿を思い描けるようになるに違いない。子供たちは「ジュニア」をはじめとする大人たちと一緒の時間を過ごすことで、自分とは違うさまざまな長所や欠点、考え方を持つ人たちがいることを知り、多様な人たちを自然に受け入れられるようになるだろう。家に帰って親にその話をすれば、親も変わっていくかもしれない。さらには、地域の人たちにも「自分とは違う隣人が抱える問題を、お互いに思いやる力が培われる」ようになれば、間違いなく社会が変わっていく。

 日本総合研究所理事長の寺島実郎氏が監修する「都道府県幸福度ランキング」でトップだった福井県のある町の小学校3年生に、「この街の宝は何だと思いますか」と聞いたところ、「元気なお年寄りがいっぱいいる」という答えが返ってきたという。子供たちは日常の中で、地域のお年寄りの姿をしっかり見ているということなのだろう。お年寄りたちが元気な姿を見せることは、子供の成長にも好影響をもたらすことだろう。このような街で生まれ育った子供たちは、将来はこの地域に住みつづけたいと思うようになるに違いない。

 「ひむかジュニア運動」の大きな目標は、「この宮崎を、将来、子供たちが喜んで住みつづけたいと思う街にしたい」ということである。学校を核としてみんなが集い、寄ってたかって子供の成長に関わる。そうすることで年はとってもは生きがいを持ち、健康をより意識するようになり、地域とのつながりも豊かになる。日々の業務に追われ、負担が増すばかりの学校の先生たちにとっても良き理解者が増える。応援団にもなってくれる。

 この活動を定着させるためには息の長い取り組みと多くの賛同者が必要だ。日向市では、社会人が学校に出向いてさまざまな話を子供たちに聞かせる「よのなか教室」を一昨年から開始している。この活動に賛同して、「よのなか先生」に登録いただいた方々が、現在100人を超えた。しかし、まだまだ足りない。これを早く300人にまで増やすお願いをしているが、仕事を持つ現役世代だけでは大変難しい。仕事をリタイアした「ジュニア」の方々、とりわけ団塊の世代にぜひとも加わってほしいと願っている。

 私も団塊の世代。同世代の皆さんに、これからは「ジュニア」として地域の未来づくりのために役割を果たしていこう、と訴えていきたい。

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