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災害時の経済的リスクへの備え 二宮清子さん(ファイナンシャルプランナー)

2015/09/25
ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん「災害時の経済的リスクへの備え」

支援制度、知ることが第一歩


にのみや・きよこ 宮崎市出身。日本大学短期大学部卒。ファイナンシャルプランナーで、合同会社リーフ代表。住宅ローンアドバイザーなどの資格も持つ。日本FP協会宮崎支部長。

にのみや・きよこ 宮崎市出身。日本大学短期大学部卒。ファイナンシャルプランナーで、合同会社リーフ代表。住宅ローンアドバイザーなどの資格も持つ。日本FP協会宮崎支部長。

 今月9日から11日にかけて発生した「関東・東北豪雨」では、茨城県や栃木県、宮城県などで大きな被害が出ました。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げ、一日も早く元の生活に戻れるようお祈りしています。

 近年、台風や大雨など自然災害が大規模化しているように感じる。国際的な専門家会議などによる地球温暖化の研究では、自然災害の将来予測について不確実な要素が増しているとの指摘がされたという。自然災害はいつでも、どこででも起こりうる。本県も例外ではなく、だからこそ、被災してしまった場合の復旧のことを、経済的リスクも含めて真剣に考えておきたい。


 復旧とは、後片付けや食料の確保といった短期的なことだけではなく、生活を元の状態に戻すこと。家屋や家財道具が被災したりけがをして働けなくなったり、想定外の出費や収入減を強いられれば復旧への道のりは厳しくなる。そんなとき、知識として持っておきたいのが公的支援の存在。さまざまな支援や制度があることを知っておくと、少しでも負担を軽くすることができるはずだ。

 被災時にまずやるべきことは、市町村への「罹災(りさい)証明」の取得手続き。支援制度には、▼住宅の被害程度に応じて支給される支援金などの「給付」▼当面の生活資金や生活再建の資金などの「貸付」▼税金や保険料などの「減免・徴収の猶予」--があり、いずれも受けるためには罹災証明が必要となる。また、預貯金通帳や運転免許証を紛失した場合でも、罹災証明があれば再発行できる。

 罹災証明には被害認定基準がある。家屋や家財、その他資産の損害の程度を明らかに記録しておくために、カメラやスマートフォンなどで損害箇所を撮影しておくことも大切な作業だ。撮影した写真データは、その後の保険金などの請求手続きの際にも、損害の程度を示す重要な資料となる。公的支援というものは、基本的にこちらからアクションを起こさないと受けることはできない。罹災証明の認定に時間がかかるケースがあるので、早めに行動していきたい。

 併せて考えたいのが自助努力による備え。公的支援は復旧の第一歩であり、“もとの生活”に少しでも早く戻るために預貯金、火災保険、地震保険、傷害保険などが力となる。特に、住宅ローンが残っている世代にとって、住宅が壊れるなどした際に二重ローンを組むような事態は避けたい。多少保険料が負担となっても、民間の保険に加入しておくことで回避できるかもしれない。

 二重ローン問題は、災害などで被害を受けた住宅のローンなど、もともとあったローンの支払いにより再建のための資金調達が困難になる、あるいは、新たなローンを組むことで二重のローンの負担に苦しめられること。1995年の阪神淡路大震災などの際にもこの問題が取り沙汰された。ただ、今は災害に遭った場合、個人債務者の私的整理に関するガイドラインを使って債務整理をすれば、被災前に借り入れした住宅ローンの返済について減額または免除が可能となったり、500万円までの預貯金は守られたりするケースもある。一般的な自己破産と違い、信用情報リスト(ブラックリスト)には載らない。二重ローンを選択するより、場合によっては負担を少なくして生活再建を前に進めることができる。

 被災された方は、日々の生活や将来への不安から、ともすれば“視野”が狭くなりがちだ。ファイナンシャルプランナー(FP)の役割は、そんなとき「あなたの選択肢はこれだけではないんですよ」と気付かせてあげること。災害は起こらないに越したことはないが、いざという場合はFPの存在を思い出し、頼っていただければと思う。

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