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アナライズ

確定拠出年金のメリット 二宮清子さん(ファイナンシャルプランナー)

2015/07/03
ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん「確定拠出年金のメリット」

税制優遇、加入範囲も拡大


にのみや・きよこ 宮崎市出身。日本大学短期大学部卒。2011年1月に独立系ファイナンシャルプランナー事務所「幸せマネープラン」を開業。日本FP協会宮崎支部長も務める。

にのみや・きよこ 宮崎市出身。日本大学短期大学部卒。2011年1月に独立系ファイナンシャルプランナー事務所「幸せマネープラン」を開業。日本FP協会宮崎支部長も務める。

 厚生労働省は今年4月、「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」を通常国会に提出した。(1)企業年金の普及・拡大へ向けて中小企業(従業員100人以下)の制度を大幅に拡充する(2)ライフコースの多様化へ対応するために個人型の確定拠出年金加入可能範囲を拡大する--ことが改正の柱。可決・成立すれば、資産形成と節税のメリットがさらに生かせる、企業にも個人にも使いやすい年金制度になると期待する。

#金融、証券、保険



 確定拠出年金(DC)について少しおさらいしたい。私的年金の一つで、米国の内国歳入法401条k項による制度をモデルとして2001年に導入された。「日本版401k」とも呼ばれ、加入者は14年10月末現在で500万人を超えた。厚生年金や国民年金を補完する制度で、掛け金を会社が負担する「企業型」と自分で負担する「個人型」がある。自分で選んだ投資信託などの金融商品を運用し、運用の結果次第で将来の年金額が増えたり減ったりする、いわば“自己責任”の制度だ。

 改正案は、従業員100人以下の企業に対する制度の普及を促す内容になっている。DC加入者が順調に増えて500万人を超えたといっても、大企業が中心。中小企業における企業年金実施割合は低下傾向にあり、それに歯止めをかけることも狙いの一つとなっている。

 具体的には、設立時の書類を半分以下に省略し、行政手続きを金融機関に委託することが可能となる「簡易型DC制度」を創設。また、個人型DCに加入している従業員に対して事業主が追加で掛け金を拠出することができる制度も設ける。事業主が個人型DCに拠出した掛け金は、企業型DCの会社掛け金と同様、従業員の給与所得にかかる収入に含めず、事業主にとっては損金として認められるため税制上のメリットが大きい。

 個人型DCの加入範囲は、既に企業型DCに加入している人、企業年金のある会社の会社員、公務員、専業主婦などの第3号被保険者に拡大される。現役世代すべてが加入できるようになり、うまく活用することで老後の備えは手厚くできる。会社の制度変更に基づくDC、確定給付企業年金(DB)、中小企業退職金共済との間での資産の引き継ぎ(ポータビリティ制度)も拡充され、M&A(企業の合併・買収)などで企業年金制度がリセットされないよう守られる。

 DCで運用する掛け金は、60歳になるまで途中で解約して使うことはできないが、逆に言えば「確実にお金を貯(た)めることができる」ということ。また、資産を自ら運用することは、家計から国際的な動きにまで、経済に対する関心を高める良い経験になることは間違いない。自ら将来に備えようとする人に対しては、国は節税などのメリットを用意している。ちなみに、DCは金融商品の売却益も非課税で、所得税の節税効果と合わせて、NISA(少額投資非課税制度)よりメリットが大きいと考える。給付型年金の将来に不安がある中、資産運用をリスクとして捉えるだけでなく「資産を守る」という意識で挑戦してほしい。

 ※「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」は、個人型DCの第三者被保険者等への加入範囲の拡大は2017年1月1日に施行、その他は公布の日から2年以内で政令の定める日に施行するとしている。

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