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2019年10月17日(木)
アナライズ

電機資材に見る景気 米良充典さん(県商工会議所連合会会頭)

2015/06/26
県商工会議所連合会会頭 米良充典さん「足元は良いとは思えず」

足元は良いとは思えず


 自分の会社を通して、足元の景況感は良いとは思わない。アパートやマンションは新築が一定数あるものの、県内を見渡しても新しい建物がほとんど建っていない。今後は提案営業が重要であるとみている。例えば太陽光蓄電池。

めら・みつのり 宮崎市出身。鹿児島経済大(現鹿児島国際大)卒。米良電機産業社長。2010年から現職。宮崎商工会議所会頭も務める。69歳

めら・みつのり 宮崎市出身。鹿児島経済大(現鹿児島国際大)卒。米良電機産業社長。2010年から現職。宮崎商工会議所会頭も務める。69歳

 2009年11月から「売電2倍政策」と言われ、買い取り価格は1キロワット時当たり24円から48円へ引き上げられた。しかし、12年には42円、15年には33〜35円まで下がった。今では売電するよりも自分のところで消費した方が得になると考える人が増えている。例えば5キロワットの太陽光を設置しているところに7キロワットの蓄電池を設置した場合、昼間は太陽光で蓄電と供給と売電に活用し、雨天時などの場合は蓄電池から供給することも可能。電気使用の最も多いデイタイムでも蓄電の電力を活用することで、料金の安い深夜電力だけとなり、電力会社への支払いも大幅に減らすことができる。現在は蓄電池購入の補助も整備されていることから投資回収も早いものとなる。もう一つの利点は停電などの災害時にライフラインともなる大きな役割を果たすことだ。

#製造、機械・電気



 空調機器や発光ダイオード(LED)や冷蔵庫なども同様に、性能が改良されている。10年以上使用した製品との対比では、月次・年次の電気料金は大幅に減少する。つまり、既設の製品を使い続けるよりも省エネ製品に取り換えた方が経済効果は明らかだというような提案をし、円安による資材費高騰や電気代の上昇に伴って企業の意識が節約型に向かっているところに営業していく。

 買い取り価格が下がった太陽光発電だが、家庭向けは徐々に申込件数が増えている。一時期の混乱が落ち着いて、本当にメリットがあると冷静に考える人たちが導入し始めているのだろう。新ルールで九州電力が発電事業者に求められる出力抑制の期間が無制限になったこともあり、大規模な施設は厳しい。特に変電施設や送電関係がうまくいかないと難しいのだが、変電所を新設するには調査2年、計画2年、施工1年ととにかく時間がかかる。

 LED需要はこれからもっと伸びていくとみている。国が老朽化した道路や橋、トンネルの大規模な修繕や架け替えなどを行っている。トンネルの古い照明器具は重量があるので落下の恐れもある。LEDのイニシャルコストは確かに高額だが、軽く、明るい。電気代は抑えられるし、明るいので灯数も少なくて済む。予算の問題もあるだろうが随時切り替わっていくだろう。

 LEDはインフラ以外でも可能性のある技術。先日完成した関連会社の新工場内にLED光を当てて促成するレタスやイチゴの水耕栽培の実験場を作った。LEDは光の色をほぼ自在に変えられるので、健康を考えた必要な栄養成分を含む「機能性野菜」の生産に適している。大手電機メーカーも参入しており、新たな収益源にしようとしている分野でこれからの展開が楽しみだ。

 県内の今後をみたとき、注目しているのは26年実施予定の宮崎国体に向けた県の動き。サッカーや陸上競技の会場となるメーンスタジアムには35000人くらいは収容できるものが必要で、陸上のトラックは現在の9レーンから10レーンにしないといけない。プールも屋根付きでないと公認記録にならないとのこと。

 「風邪をひけば桶屋(おけや)がもうかる」ではないが、国体に向けた施設整備というのは、建設土木からサッシ、ガラスまで裾野の広い事業。雇用も増える。既存施設を改修する方法も確かにあるが、それで県外から来る人々を本当に満足させられるだろうか。何より重要なのは、来県者に国体後も「また宮崎に行きたい」と思ってもらえることであり、今回の施設整備は本県の将来を見据えたものでなくてはならない。国体開催地は未決定であるが11年後に迫っている。国からいろいろな補助も出る。県が計画を練っていると聞いているが、スピード感がほしいと感じている。

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