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アナライズ

シニアのお金の扱い方 二宮清子さん(ファイナンシャルプランナー)

2015/04/24
ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん「若い世代へ“投資”を」

若い世代へ“投資”を


にのみや・きよこ 宮崎市出身。日本大学短期大学部卒。2011年1月に独立系ファイナンシャルプランナー事務所「幸せマネープラン」を開業。日本FP協会宮崎支部長も務める。

にのみや・きよこ 宮崎市出身。日本大学短期大学部卒。2011年1月に独立系ファイナンシャルプランナー事務所「幸せマネープラン」を開業。日本FP協会宮崎支部長も務める。

 22日の株式市場で、日経平均株価は終値で2万円を回復した。IT(情報技術)バブル期の2000年4月以来、15年ぶりのことだ。ここのところ株価は上昇への動きと下降への動きがせめぎ合っており、“保(も)ち合い”の状態にある。上昇への動きは、主要国の金融緩和で生まれた潤沢な投資マネーが日本に流れ込むことで起こり、下降への動きは確定売りが増えたことに起因する。

 過去のデータとトレンド(傾向)から株価の今後を予測すると、ゴールデンウイーク(GW)前は確定売りの動きが強まる。日本のGWは長く、その期間中のリスクを避けたいため(GW中にギリシャ危機に関する動きがあったことも)で、夏から秋にかけては例年と同じように少しずつ下がっていくだろう。しかし、東京五輪が開催される2020年までの長いスパンで見れば、開催の2年くらい前までは緩やかに伸びていくことが予想できる。ただ、“バブル崩壊”など急激に情勢が変化する懸念は常に付きまとう。経済は世界的な結び付きを確実に強くしており、日本だけに投資していると相応のリスクを背負うことになる。この稿で繰り返し強調しているが、「備え」は非常に大切だ。

 今回はシニアのお金の扱い方にスポットを当てたい。日経平均株価が2万円を回復したこのタイミングで一度利益を確定して、リバランス(投資配分の比率を調整すること)を考えてはいかがだろうか。

 いま、利益を出している方は米国と日本の株式や投資信託の保有率が高いと思う。前段で書いたようなリスクを分散するためにも、例えば、3月から金融緩和を始めた欧州、フィリピンやインドネシアなどのアジア諸国、オーストラリア、カナダへの投資の割合を増やし、日本や米国の割合を減らす。利益を積極的に取りにいきたい--など、目的に応じて割合を変えることもできるので、勉強して知識を深めるという楽しみにもつながる。

 次世代を担う子、孫の世代への“投資”も提案したい。投資は何も金融商品だけが対象ではない。「長生きリスク」という言葉があるように、将来の不安からお金が手放せないという気持ちは理解できる。しかし、必要以上に貯蓄してはいないだろうか。高齢者が安心して生活し、将来に備えるためにはいくらあれば大丈夫なのか、困らないのか、金額をきちんと把握することが大切だ。必要以上のお金があれば、若い世代のために使うことで、それは「生きたお金」となる。未来への投資と言っていい。

 お子さん、お孫さんがどんな生活をしているか、気にかけてほしい。30代、40代はデフレの影響が色濃く、収入がなかなか増えない時代を生きている。高度成長時代のように、家電、自動車、マイホームを持つことはステータスではなくなったが、収入が増えない中でそれらを手に入れようとすれば、無理も生じる。子供の教育資金などの影響が出るなどして、最悪の場合、家計はパンクしてしまう。

 近年、相続税対策のための制度が拡充している。非課税枠を活用したもので、教育資金贈与の非課税制度をはじめ、今年4月からは結婚・子育て資金贈与の非課税制度がスタートした。高齢世代が保有する豊富な金融資金を、若年世代へ移すことも目的の一つとなっており、生きたお金の使い方を促す制度となっている。使い方を限定することで無駄遣いの心配もない。金融機関がそれぞれに対応した商品を用意しているので、関心のある方は相談してほしい。

 お金の話は家族間でもなかなかできないもの。国の制度や、高齢者が自分の思いを伝えるエンディングノートなどを上手に使って、お金が円滑に世代間譲渡できるよう備えよう。みんなが幸せになれる、生きたお金の使い方ができるはずだ。

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