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2019年10月16日(水)
アナライズ

2020東京五輪の意義 水永正憲さん(元旭化成延岡支社長)

2014/11/14
元旭化成延岡支社長 水永正憲さん「2020東京五輪の意義」

技術革新、子供の希望に


元旭化成延岡支社長 水永正憲さん

元旭化成延岡支社長 水永正憲さん

 2020年の東京オリンピック開催で何が起こるのか。本県を含め、全国各地で外国人観光客をどう誘致し、合宿をどう引っ張ってくるかが大きなテーマとして取り組まれているが、本当に注目し、期待すべき事は、それだけではない。

 オリンピックでは開催国のメダル獲得数は通常の倍ほどに増える。これは、開催国が世界中から注目を集めるため、国を挙げて力が注がれる結果だが、産業活動に置き換えても同じ事が起こるのではないか。

 1964(昭和39)年の東京オリンピックを思い返してみる。私は高校1年生で、この年に初めてテレビがわが家に入り、一般家庭にも急速に普及した。開催直前には東海道新幹線が開通し、鉄道が斜陽になり始めた中で「夢の超特急が実現した」と世界中が驚き、注目した。そういった技術革新が起こってくるのが、オリンピックの最大の効果だと思っている。

 では、2020年に何が起こるか、大胆に予想してみると、グーグルなどが既に発表している超小型のウェアラブル端末が一般に広く普及し、電気自動車のワイヤレス給電も実用化しているかもしれない。聞くところによると、非接触型の充電設備は実用化に近い段階にあり、これが高速道路などに設置されれば、世界中に大きなインパクトを与えられるかもしれない。20年東京オリンピックの直前に東名高速道路に設置されれば、車を運転しながら充電されることになり、世界中の人々が注目するに違いない。

 こういった技術革新があらゆる分野で起こる可能性があり、企業はそこに注目すべきだ。合宿や観光客の誘致にとどまらず、どんな動きが産業界で起こるかを予測し、それを企業の成長に取り入れる。その視点こそが、企業にとっては重要になると思う。

 また、20年には、今の中学生、高校生が社会に出るようになっている。この多感な時期に最先端の技術や新製品が生まれるに違いなく、ワクワクするような高揚感に包まれることで、将来の希望や期待につながるはずだ。夢や希望が抱けないと話す中高生は多く、東京オリンピックは、子どもたちに将来への希望や夢を抱かせるためのきっかけにもなるのではないか。

 子どもたちの周囲には、非正規雇用やブラック企業など、マイナスの情報が多く、夢を描きにくい環境にある。そんな中で、オリンピックは明るく、分かりやすいトピック。産業界やわれわれ大人たちは、東京オリンピックを経済成長につなげ、子どもたちが将来に明るい希望を抱くことができるような話を語り、聞かせることが使命になると思う。

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