みやビズ

2019年10月14日(月)
アナライズ

人口減と地域振興 髙橋洋さん(ソラシドエア社長)

2014/10/03
ソラシドエア社長 髙橋洋さん 「戦略産業に集中投資を」

戦略産業に集中投資を


 日本の人口減少を食い止めるのは無理だ。内需が減ることを前提に、いかに効果的にお金を使って地域の存続を守るか、衰退を防ぐか。いち早く地域全体で考え始めなければいけない。

ソラシドエア社長 髙橋洋さん

たかはし・ひろし 東京大法学部卒。1977年、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)入行。プロジェクトファイナンス部長、人事部長、取締役常務執行役員を経て2011年から現職。岐阜県出身

 世界の先進国で唯一成長を続けているのは米国。成熟国を目指すシナリオではなく、積極的に移民を受け入れることで内需を拡大し、成長(人口増)を維持している。このモデルを日本が受け入れるためには大きな発想の転換が必要となる。大量の移民を受け入れるためには、選挙制度変更を始め、さまざまな価値観の転換を国民が受け入れられるのか疑問だ。

 では、どういった施策が必要になるのか。このまま人口減少の流れが続いた場合、内需の総量は減るため農林水産業、製造業などすべての産業で地域間競争はさらに激化するだろう。製造業の海外移転はさらに進み、人口規模の減少により、サービス、小売業も縮小する。そうした中で、どの地域もそれぞれの地域経済を支える基幹産業の選別、強化を図れるかどうかが存続の別れ道となる。

 この場合、経済規模の拡大を前提とした産業ではなく、経済成長がなくても地域住民を養っていける身の丈に合った低コストの産業か、少量でも必要な利益が生まれる付加価値の高い産業の育成が不可欠だ。

 県全体の人口は、今年4月で111万5767人。2040年には90万1000人になるとされる。本県もこれからの競争の時代に何を武器として生き残るのか吟味しなければならない。すべての産業やすべての地域がこれまでと同じように存続できるわけではないことを認識しなければならない。そのためには客観的な視点を持ち、投資の「選択と集中」を決断する時期にあることを覚悟すべきだ。

 特に必要なことは、地域経済を支える戦略産業や商品を決めること。企業、県民からの非常に高いコンセンサスが必要となるが総花的ではなく、集中投資をしなければならない。また、行政と企業、大学などの研究機関を巻き込んだ地域一体となったマーケットチームを構築すること。行政の客観性と民間の知恵、研究機関の知性と人材を生かさなければいけない。

 さらに、海外でも通用するグローバルな人材の育成も不可欠。即戦力が必要ならスカウトもしなければいけない。県境を越えた地域連携も考えることだ。とにかく前例にとらわれず積極果敢に進めるべき。これまでのような緩い競争ではない。

 どうしても取り残される産業や市町村は出てくる。それぞれの市町村が独自の産品や自然景観、歴史遺産を活用して自律的に生き残りを策すべきだが、すべての市町村が生き残れるような甘い時代ではない。また、綾、五ケ瀬町、西米良村のような独自色を確立できるわけでもない。限界まで無理を続けると全体が行き詰まる。均等配分ではなく集中投資を決断する時期になっている。

アクセスランキング

ピックアップ