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今後の金利、方向性と対策 二宮清子さん(ファイナンシャルプランナー)

2014/09/19
【アナライズ】ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん

上昇見据え備えを


 個人の住宅ローン、企業の長期借り入れなど、金利の低下傾向が続いている。金融機関がこれらの金利を決める際に基準としている長期金利(9月17日終値:0.555パーセント)が低水準で推移しているためで、特に住宅ローンは、金融機関同士の競争の激化も背景に過去最低水準となっている。家計や企業にとっては恩恵ともいえるが、この状況はこれからも続くのだろうか。

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん

にのみや・きよこ 宮崎市出身。日本大学短期大学部卒。2011年1月に独立系ファイナンシャルプランナー事務所「幸せマネープラン」を開業。日本FP協会宮崎支部長も務める。

 安倍政権の経済政策・アベノミクス効果で景況は好転した。円安、株高は定着し、大手企業では堅調な業績から定期昇給(ベア)を復活させたところも少なくない。ただ、景気の回復基調は明らかなのに金利は反応していない。日銀が大量の国債を買い入れ長期金利を抑えつけているためだと考えられるが、景気回復に歩調を合わせて長期金利も緩やかに上昇することが健全だとすれば、いまの水準は妥当ではない。日銀がまとめた長期プライムレートと短期プライムレートの推移を見ても、2011年8月ごろから長期プライムレートの方が低く、明らかにおかしな状況になっている。

 長期金利が上昇するとすれば、可能性は二つ。一つは、日本の財政全体が信用を失い、国債デフォルト(債務不履行)の可能性が長期金利に織り込まれる「信用リスクによる上昇」、もう一つは、景気回復による物価上昇に歩調を合わせた「経済政策の成功による上昇」。後者が理想的であることは言うまでもないが、日銀が無制限に国債を買い続ければ前者の可能性も消えない。

 長期金利はどれくらいが妥当なのか。内閣府がまとめた「中長期の経済財政に関する試算」(名目長期金利)では、世界経済が堅調に推移する中でアベノミクス効果が着実に発現した場合のシナリオとして、来年度には2.0パーセント、東京五輪が開催される2020年度には4.0パーセントへの上昇を描いている。また、主要先進国の10年国債利回り(9月11日現在)が、米国2.544パーセント、豪州3.607パーセント、カナダ2.191パーセント―などであることを鑑みて、日本の長期金利も2、3パーセントが健全ではないか、と考える。

 金利が上昇することを前提として、対策を考えたい。個人の住宅ローンの場合、可能であれば、金利を固定することが大事。きちんと滞りなく返済していれば固定化は難しいことではない。現在の低金利で借りられる状況は“幸運”なのだから、月々の返済額が1、2万円下がれば、その浮いた分を貯蓄に回し将来のリスクに備えてほしい。国債暴落を想定するならば、資産を海外へ“避難”させるのも一つの手段。為替リスクは付きものだが「円高であればラッキー」くらいに考えておけば気持ちも安定するはずだ。

 企業の場合、事業用ローンは変動か、固定でも長くて5年。資金繰りのリスクを減らすためには金利の固定化・長期化を進めることが重要となってくる。利益を計上し、企業として成長を続け、金融機関の信用を得ることで10年固定なども可能となってくる。

 何がきっかけで金利が上昇するか、明確に予想することは難しい。国内だけでなく、先進主要国の金利の動きも参考にしてほしい。さまざまなリスクを想定し、できうる限りの備えをしておきたい。

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